人生のエンディングでは、その余生を充実させることはもちろん、自分の死後に家族が様々なことで困らないように、自分の遺志を伝えるという意味でも終活は大きな役割を持ちます。終活の目的は人生の最終調整とも言われています。
今流行りの終活とは何かを知って、どのように最後を生きていくか考えてみましょう。
終活は自分の死と向き合うことですが、年代によって、また置かれた環境によっても死に対する考え方や受け入れ方が違います。終活を正しく理解するためには、終活という言葉の背景から知っておく必要があります。
終活は、自らの死を意識し人生の最後を迎えるにあたって、余生を自分らしく生きていくための活動、そして最期を看取ってくれる家族へ感謝の気持ちを伝える活動です。
死の直前まで趣味や自身の活動に没頭したり、パートナーと旅行をしたり、断捨離をすることも立派な終活ですが、自分を見つめ直し全てを認めることもある意味では終活になります。
この世を去った後に、残される家族のためにしてあげられることは何かを考えながら、自分らしい人生の最後を考えていきましょう。
終活とは、「人生の終わりについて考える活動」を略した造語で、終活に関する書籍が出版されたことを機に徐々に広がりはじめ、2011年の映画『エンディングノート』の公開や、2012年の「ユーキャン新語・流行語大賞」でのトップテン選出などを経て、社会現象を巻き起こしました。
また、当時は「団塊の世代」が定年退職を迎えるなど、日本の高齢化を象徴する時代だったという背景も存在します。
年齢を重ねれば、自分の健康以外にも死と向き合う機会が増えますが、終活を行うことで、自分の置かれている状況を客観的に把握できます。
これまでの人生を振り返る、残された家族のことを考える、友人・知人など今までお世話になった人たちへの思いをつづる、やり残したことや叶わなかった夢などを書き出すことで、今からできること・できないことへの整理にもつながります。つまり終活とは、若い人たちがこれから先の未来に対して描く人生設計とは違い、人生の修正期間とも言える、より現実的なものです。現実的なことと向き合うことで、残された家族への負担も減らせます。
・自分の意思が家族に伝わり、老後の生活が前向きになります。ただ、死だけを前提とする話は、まだ若い人は抵抗があるため、聞かされる家族も驚く可能性が高くなります。考え方としては、健康状態を第一に伝えていきましょう。
・残された老後生活が充実することは、大きなメリットの一つです。ある程度自身で把握できたほうが、残りの時間を無駄なく有効に活用することができます。
・遺産相続などのトラブルを回避できます。金銭が関わる遺産相続では、誰がどれだけ受け取るか明確にしていないと、残された家族がトラブルに発展するおそれがあります。自分が生きているうちに、遺言書を残すことはもちろん、相続する子供たちとも話し合いを進めておきましょう。
終活は何歳から始めるのが適切なのでしょうか。
終活を始める時期には決まりはありません。自分が必要と感じた時期に行うべきでしょう。
一般的には70歳程度になってから終活を始める人が多いようですが、若くして終活を意識することも、自分を見つめ直すことに繋がり、人生にとってプラスになるでしょう。
パートナーが亡くなったことがきっかけで終活を始める人もいます。タイミングに関しては人それぞれですが、健康なうちに終活に関する準備や行動を起こすべきでしょう。
子供も自立し、仕事を退職し、隠居生活になってからと思っているうちに、病気やケガで入院してしまい、体力や思考能力も衰えてしまうかもしれません。突発的に何が起こるかわからない年齢になっている場合、早めのタイミングで始めるほうが良いかもしれません。
最近では、若い人でも終活を始めている人もいます。終活は自らの人生を振り返って、これからの人生をより良く生きて行くための活動なので、若い人でも大変意義のあることです。40代でも50代でも早過ぎることはありません。どの年代から始めてもこれからの人生を考えるきっかけになり、とても有意義な活動になります。
終活は、これからの人生をどう生きるかという前向きな活動です。まずは、趣味や旅行、習い事などやってみたいことや、自分の好きなことを書き出してみるのがおすすめです。
夫婦で行きたかった世界を周ってみたり、キャンピングカーを購入して各地を旅したり、昔からやってみたかったことに挑戦するのも良いかもしれません。また、いろいろな活動などに参加してみることで、新たな出会いや楽しみができることもあります。気になるものがあれば、積極的に行動を起こしてみましょう。