日本の離婚率は、徐々に減少しています。
では、日本全体で円満夫婦が増えたのかと言えばそうとは言えないのが、現状のようです。
最近では、離婚よりも逆に隠れ離婚という、いわゆる仮面夫婦や家庭内別居を選択する夫婦が増えてきています。
離婚でなく、仮面夫婦を続ける夫婦の理由や特徴について考えてみましょう。
仮面夫婦とは、世間体を気にしたり、経済的な理由などのさまざまな理由から、実質的には夫婦として終わっているのに、夫婦関係を続けている夫婦のことを言います。
家庭内別居も似たような状態で、夫婦としての関係は破綻しているのに、同じ家で一緒に暮らし続けている夫婦のことです。
子供の将来や経済的なことを考えて、離婚よりも仮面夫婦や家庭内別居を選ぶ夫婦も少なくありません。
最近は熟年離婚の増加が続いているなど、離婚する世代や理由もさまざまです。周囲を見渡しても、離婚経験者は珍しくなくなってきました。さらに、ドラマや映画でも、主人公が離婚経験者やシングルマザー、あるいは離婚そのものを肯定化している内容のものも、よくあります。
また、婚活においてもバツイチが人気で、再婚市場が広がるなど、かつてのように離婚のマイナスなイメージは薄れてきていると言えるでしょう。
多様化された社会で、夫婦関係も自分たちに合わせてさまざまな形があるようです。
夫婦が離婚することで子供が不幸になる、子供のために両親が揃っていた方がいいと考える人はまだまだ多いようです。
子供の前では普通の夫婦と同じように振る舞っていることが多く、離婚することによる子供への影響を心配しているためです。
喧嘩を避けて仮面夫婦として過ごし、お互いが我慢して子供を成人まで育てようと考えている夫婦もいます。
さらに、離婚後に子供が母親の方に行ってしまうことが多いため、どうしても子供と離れたくないという理由で別居や離婚を拒否する夫も増えているようです。
離婚後にシングルマザーになっても生活していけるだけの経済力がないことで、妻が離婚希望を持ちつつも、そのまま家庭内別居を続けていることは少なくありません。
また最近では、夫の方も昇級できなかったり、給料が思うように上がらず、経済力が下がっているという人も増えています。妻側が慰謝料をあきらめたり、養育費の支払いが滞ることもよくあり、これがさらに離婚後の生活を苦しくする原因にもなっています。
こういった状況にならないために、仕方なく離婚を諦めた夫婦も少なくありません。
離婚すると世間体が悪いと考える人はまだ多いようです。
仕事上でも職場に離婚を知られて、面倒くさいと感じたり、実家の両親や親族から体裁が悪いと文句を言われたり、変に気を使われたりすることもあります。
仮面夫婦は、外では仲良さそうに振る舞っているので、世間体は維持できて、周囲との人間関係も上手に築いていけます。
特に、社会的地位の高い人や、堅い職場の人などは離婚を嫌い、形だけは夫婦関係を継続する傾向にあります。
日常会話など、何でもないことを話して、コミュニケーションを取るのが一般的な夫婦です。
しかし、仮面夫婦は必要なことしか会話をしない、連絡事項のみというように仕方なく話すというような関係です。
ご飯を食べる時は、普通の家族にとって一家団欒の穏やかなひとときでもあります。
仮面夫婦は、相手を待たずに食べ始める、家で食事をしない、好き勝手に食べると言う状態です。
顔を合わせたくないので、一緒に食事をする時間を嫌がります。
夫婦の生活のパターンが変わらないのに、相手の帰宅を待たずに好きな時間に寝るなど、存在を無視した行動を取るのが特徴的です。生活リズムやスタイルを崩さないというのは、すれちがいの第一歩と言えます。
夫(妻)が、何をしようと何時に帰宅しようと、相手の行動や気持ちに全く興味がなく無関心な人は、仮面夫婦予備軍とも言えます。
もし、夫婦が離婚しても子供と離れたくないと言う心情も、仮面夫婦になる大きな理由のひとつでもあります。
シングルマザーが、経済的に困難になりがちなのは言うまでもありません。
最近は、夫婦共働きの家庭が離婚した場合でも、夫一人の稼ぎでは養育費やローンの返済に困るような場合も少なくありません。
離婚には、結婚以上にパワーがいるものです。
さまざまな手続きや交渉、周囲の目が気になったり、周りへの説明などが面倒だという人は離婚よりも仮面夫婦を選ぶ傾向にあります。
会社の同僚や両親、親戚、友人などに、良いイメージを持たれている人ほど、そのイメージが壊れることを嫌います。また、子供にいつまでも良いパパ(ママ)と思われたいと考えています。
仮面夫婦を一生続けるか、離婚を決断するか、人によってまったく違い、まさに人生の価値観が問われる問題でもあるでしょう。
日々の会話など、ほんの少しやり方を変えるだけで、夫婦の関係を改善することができます。まずは、自分たちの関係を見直してみることをおすすめします。
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