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不倫中なのに「家庭円満アピール」? その矛盾に潜む心理とは

2025.05.14

SNSなどで家庭円満を強調する既婚者の中には、裏で不倫をしているケースも少なくありません。なぜ不倫中にも関わらず「幸せな家庭」を演じるのか。その背景には罪悪感を打ち消すための自己正当化、外部からの評価に飢える承認欲求、そして不倫を隠すためのイメージ戦略といった複雑な心理が存在しています。

本記事では、調査データや事例をもとに、20代後半〜40代の既婚者が「理想の夫婦像」を発信する心理的動機を分析。不倫を正当化しようとする内なる葛藤、自己肯定感の低さからくる承認への渇望、家庭内の緊張感を覆い隠すための演技など、多層的な感情のメカニズムに迫ります。

一見、微笑ましい家庭アピールが、実は満たされない心の表れであることも。本当の解決は、虚構ではなく感情の根本と向き合うことから始まる――そんなメッセージを伝える内容となっています。

SNSにあふれる幸せアピールの裏側

最近、SNSや日常会話でやたらと家族仲の良さを自慢する既婚者がいます。一見微笑ましい投稿や発言のように見えますが、実はその裏で不倫に走っているケースも少なくありません。このような 「家庭円満アピール」 は、いったい何のために行われるのでしょうか? 夫婦仲が本当に良好ならば、わざわざ周囲に幸せを誇示する必要はないはず。それなのに不倫中の本人ほど家庭円満を演じたがる――この矛盾した行動には、人間の心理的な葛藤や感情が深く関係しています。

例えば、ある調査サイトでは「仲の悪い夫婦ほどSNSで幸せアピールをする」という現象に共感が集まっていました。実際、「愛妻家」を公言していた男性が陰で浮気をしていた、といった話も珍しくありません。なぜ不倫をしている人ほど、周囲に「うちは円満です」とアピールしたがるのか。本記事では、その心理を自己正当化や承認欲求といった感情面から読み解き、客観的に解説します。

罪悪感と自己正当化:矛盾を埋め合わせる心の働き

不倫は本人にとっても大きな心理的負担を伴います。愛する配偶者を裏切っているという 罪悪感や、倫理観との衝突による認知的不協和(心の中の矛盾)に苦しむ人も多いでしょう。その内なる葛藤に耐えるため、人はさまざまな自己防衛策を無意識に講じます。その一つが「家庭円満アピール」というわけです。

心理カウンセラーの根本裕幸氏は、不倫による罪悪感を抱える人について「内なる良心に反していると、不自然な言葉遣いで自分を正当化したり防衛したりしてしまうもの」と指摘しています。例えば、不倫中の人はやたらと「自分は配偶者を愛している」と繰り返す傾向があり、これは罪悪感を隠すために「愛している」という言葉を必要以上に用いている可能性があるといいます。本心では後ろめたさを感じつつも、「自分はちゃんと家族を大事にしているんだ」と言い聞かせることで、なんとか心のバランスを取ろうとするのです。

実際、海外の研究でも興味深いデータがあります。不倫をしている男性を対象にした調査によれば、浮気を重ねるうちに「浮気くらい誰も傷つかない」「新しい恋愛のおかげで自分が活き活きできている」といった具合に、不貞行為そのものや自身の姿を肯定的に捉える方向へと意識を変化させる傾向が見られました。これは心理学でいう 認知的不協和の低減、つまり矛盾した行動と自己イメージのズレを埋めようとする心の働きです。不倫という「悪いこと」をしながらも自分を「良い人」「良い夫・妻」であり続けたい。その矛盾を解消するために、人は心の中で理屈をつくり上げたり、外向きの態度を変えたりします。

家庭円満アピールは、まさにその外向きの態度の一つでしょう。不倫中の罪悪感を少しでも和らげ、「自分はまだ家族思いの夫(妻)だ」という自己像を保つために、周囲に対して理想の家庭像を演じてみせるのです。例えば、浮気の罪悪感から配偶者に急に優しく接したり、記念日でもない日にプレゼントを贈ったりするケースもあります。SNSで家族写真を投稿したり、会話の中で配偶者を褒めちぎったりする行為も、その延長線上にあると言えます。裏切り行為と良き家庭人という二面性のギャップに苦しむあまり、せめて表面上だけでも「良い夫・良い妻」を演じることで心の負担を軽減しようとしているのかもしれません。

承認欲求と自己肯定感による「幸せアピール」が満たすもの

人がSNSに投稿する根底には多かれ少なかれ承認欲求が存在します。キラキラした家族写真や「うちの旦那サイコー!」といった投稿は、他者からの称賛や羨望の眼差しを得る材料になります。もちろん誰しも楽しい出来事を共有したい気持ちはありますが、不倫中の人が頻繁に幸せアピールをする場合、そこには切実な心理的ニーズが隠れていることがあります。

不倫に走りやすい人の傾向として、自己肯定感の低さや現状への不満が指摘されています。不倫問題に詳しいカウンセラーは「自己肯定感の低下が不倫のトリガーになることが多い」と述べており、配偶者から認めてもらえない寂しさが他の異性への癒やしを求める動機になると指摘します。事実、結婚相談所の統計によれば、不倫経験のある女性の約65%が「寂しがり屋で依存しやすい」性格に該当しました。このタイプの人は情緒的に不安定で、常に他者からの愛情や承認を求める傾向が強いといいます。つまり、本来パートナーから得られるはずの承認や愛情が満たされないために、心に空いた穴を埋めようとして不倫に走り、同時にSNSなどで自分の価値を補おうとするのです。

不倫をしている人にとって、家庭円満アピールは一種の自己承認の手段でもあります。投稿に寄せられる「素敵な家族ですね!」「良い旦那さんで羨ましい」といったコメントや「いいね!」の数は、本人にとって不足している自己肯定感を補強する擬似的な承認です。現実には満たされていない心の渇きを、オンライン上の反応で潤そうとしているのかもしれません。特に家庭内で自分の居場所が感じられなかったり、配偶者から評価されていないと感じたりしている人ほど、外部からの賞賛に飢えている傾向があります。その結果、「幸せな私」を演出する投稿に力が入るのです。

承認欲求の塊とも言えるSNSでは、人は往々にして理想化された自己像を発信します。不倫中の人が家庭円満を強調するのも、理想の自分像(良き夫・妻像)を他人に認めてもらうことで、「自分はダメな人間じゃない」という安心感を得たいからではないでしょうか。周囲に「幸せそうだね」と思われることで、自らも一瞬その気になり、現実の後ろめたさを忘れていられるのかもしれません。悲しいかな、それは蜃気楼のような一時的安堵であって、本当の問題解決にはならないのですが…。

世間体と疑惑回避によるイメージ戦略としての円満アピール

家庭円満アピールには、他者へのイメージ管理疑惑の目をそらす効果も期待されています。不倫をしている人にとって一番怖いのは、配偶者や周囲に浮気を疑われることです。そこで、「まさかあの人が浮気なんてするはずがない」と思わせるために、あえて公衆の面前で愛妻家・愛夫家を演じる場合があります。

ある不倫経験者の女性は、SNSを巧妙に“アリバイ作り”のために利用していました。彼女は夫とも浮気相手ともSNS上では繋がっていませんでしたが、わざわざ夫に「この写真、インスタに載せてもいい?」と断りを入れて家族写真を投稿し、「SNSに家庭の幸せを載せるほど私は夫が大好きな妻」というイメージを植え付けていたのです。夫はSNSに疎く直接チェックはしないものの、妻が仲睦まじい投稿をしていると聞けばまんざらでもない様子だったと言います。周囲から見てもラブラブな写真が溢れる夫婦が、裏で不倫関係にあるとは普通想像しません。彼女は日頃から「うちの旦那には本当に感謝しかない」「夫といると幸せ」と言葉でもアピールして信頼を得ており、友人ですらも彼女の裏の顔には気付かなかったそうです。まさに綿密に計算されたイメージ戦略ですが、本人いわく「夫の信頼を裏切っているのは心苦しいけれど、もう少しだけこのスリルを楽しみたい」という心理状態だったといいます。そんな罪悪感を抱えつつも、バレる恐怖に蓋をして嘘を重ねてしまった切ない例と言えます。

また、不倫男性の中には「愛妻家アピールをしている方が浮気がしやすい」という皮肉な現実を語る人もいます。実際、「妻を大事にしている」と公言する既婚男性は一見誠実そうに映るため、独身女性から警戒されにくいという指摘があります。ある40代男性は過去の不倫経験について、「相手の独身女性には『奥さんと上手くいっていそうだから安心して遊べると思った』と言われた」と明かしています。つまり、周囲に「家庭円満」と思わせることは、不倫相手に余計な期待を持たせず割り切った関係を続ける上でも都合が良い側面があるのです。このように計算高いタイプは珍しいケースかもしれませんが、世間体を利用して裏の行為を隠蔽するという点では共通しています。

さらに、配偶者に対する恐怖心や後ろめたさによって過剰な家庭サービスに走らせるケースもあります。妻に強く支配されている夫が、家庭内平和を保つために外では「うちの奥さん最高です」と頭が上がらない愛妻家を演じる一方、ストレスから別の女性に走ってしまうといった矛盾です。本人としては家庭を壊す気はなく、あくまで息抜きの浮気のつもりなのでしょう。そのため、せめて表向きは必死に円満夫婦を装い、配偶者の機嫌を損ねないよう細心の注意を払います。「家では妻に頭が上がらない恐妻家だけど、外では愛妻家キャラを貫いている」という男性の告白もありました。彼は「子どものためにも妻のご機嫌を取るしかない。妻に文句を言えば100倍になって返ってくるから、愛妻家を装っている」と語っています。このような場合、不倫はある意味で現実逃避であり、家庭円満アピールは現実維持のための仮面と言えるのかもしれません。

偽りの幸せの影に…本当の問題と向き合うために

頻繁な家庭円満アピールは、一時的に自分や周囲を安心させる効果があるかもしれません。しかし、その煌びやかな投稿や言葉が本当に示しているものは「幸せ」ではなく、満たされない心の叫びである可能性が高いのです。不倫に走った人は、本当は誰よりも家庭の幸せを渇望しているのかもしれません。だからこそ、SNS上で必死に「自分は幸せだ」と唱える。しかし残念ながら、虚構のアピールを積み重ねても現実の問題は解決せず、むしろ自分自身の孤独感を深めてしまうというものでしょう。

周囲から称賛されるたびに胸がチクッと痛む――そんな葛藤を抱えながら投稿ボタンを押している人もいるかもしれません。実際、SNSで幸せアピールを続けた末に離婚に至った夫婦の例では、「写真では本当に仲睦まじい普通の夫婦に見えたのに、実は裏で不倫があった」ケースも報告されています。偽りの幸せを演出することにエネルギーを費やすほど、皮肉にも家庭の実情は悪化していく――そんな悪循環に陥ってはいないでしょうか。

人は誰しも良く思われたいし、自分の選んだ人生が間違っていないと信じたいものです。不倫中の家庭円満アピールは、その人なりの自己救済の試みであり、承認欲求の表れであり、そして恐怖に対する防衛策でもあります。そこにある心理を理解すると、決して単なる「自慢」や「嘘つき」と片付けられない、人間の弱さや哀しさが見えてきます。

しかし、もし本当に大切なのが家庭の幸せであるならば、取るべき行動はSNSで「幸せ」を演じることではないです。一時的に他者からの承認で心をごまかしても、虚しさは消え去りません。必要なのは、なぜ自分がなぜそこまで承認を渇望しているのか、何が満たされずに不倫という行動に走っているのかという本質的な感情と向き合うことではないでしょうか。自己正当化の仮面を外し、承認欲求の裏にある孤独や不安に目を向けたとき、初めて本当の解決への一歩が見えてくるのかもしれません。

家庭円満アピールの裏に潜む心理を紐解くとき、それは決して他人事ではなく、誰もが持つ心の弱さへの問いかけでもあります。表面的な「いいね!」の数よりも、心から分かち合える信頼関係を築くこと――それこそが、本当に満たされる幸せへの道筋なのではないでしょうか。

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